行政書士事務所への応募書類作成のコツ
採用したいと思ってもらえる応募書類を作ることができれば、採用に大きく近づけます。
書類先行が通らないことには行政書士事務所に就職できない
行政書士事務所に採用されるまでの流れとして、面接時に応募書類を持参するパターンもあります。
しかしそれは少数派です。
多くの場合、一時選考として応募書類を送付し、その書類審査に通過した人のみが面接に呼ばれることになります。
そこでこのページでは、一時選考を突破するための応募書類について解説します。
履歴書
履歴書は必ず提出が要求されますね。
手書きかパソコンか
行政書士事務所によっては、手書きの履歴書で応募するように指定されることも考えられます。
その場合は、素直に手書きの履歴書を使います。
逆に、手書きの指定がない場合は、「字の上手さに自信があるかどうか」の点で検討することをおすすめします。
字の上手さに自信をお持ちの方は、手書きの履歴書が良いです。
字が上手なのも、アピールポイントの1つになります。
字が上手な方って、しっかりしていそうに見えますしね。
他方、字に自信がない方は、パソコンで作ったの履歴書で応募することが良いです。
特に手書きで応募することが指定されていないのなら、無理して手書きで書く必要はありません。
「市販の履歴書」か「自作物の履歴書」か
履歴書用紙は市販されていますが、あまりおすすめしないです。
自分自身でパソコンで枠を作って、オリジナルの履歴書にしたほうが良いです。
理由は、採用してもらうにあたって必要な情報だけを充実させることができるからです。
たとえば市販の履歴書によくある「趣味」「特技」「得意科目」といった項目は不要です。
「趣味で意気投合」みたいなパターンもあるかもしれませんが、それを狙うよりは、自分のスキルを示したり、自己PRしたりすることのほうが、より効果的な履歴書になります。
その分、オリジナルの履歴書なら、自分で自由に枠を作れますので、より一層のアピールにつながります。
そのため、市販の履歴書よりも、オリジナルの履歴書をおすすめします。
ちなみに、私が就職活動をしていた時は、エクセルで履歴書を作っていました。
写真
履歴書に貼る写真は、ほんのちょっと笑顔になるように頬の筋肉と口角を上げ気味にしつつ、正面を向いた写真がベストです。
写真をどこで撮影するかは、特に写真屋さんで撮ってもらわなくても、街中のスピード写真で問題ないと思います。
最近のスピード写真はそれなりに良い品質です。
ただ、写真屋さんのほうが良い表情のタイミングで撮ってもらえるのは確かです。
「良い表情を作る」「ベストを尽くす」ということでしたら写真屋さんに行って撮影されてください。
私が法律事務所の採用担当だったときに、写真だけで不採用になった例があります。その具体例を以下にあげてみます。
● 顔が正面を向いていない写真
顔が軽く横向きで、視線は正面といった写真でした。
「なんで斜に構えているんだろう」という点が不信感につながりました。
必ず正面を向いた写真にしましょう。
● スナップ写真
背景に唐紙(ふすま)が写っていました。
悪い意味で家庭的な印象が出てしまっていました。
きれいに撮れるなら自宅で撮影してもかまわないですが、
背景は無地で、光の当たった明るい写真になるように撮影してください。
● 履歴書に貼る写真がクリップでとめてある
普通、履歴書に写真を貼るときは「のり」か「両面テープ」を使います。
しかし、のりで貼らずにクリップで止めてあった人がいました。
採用側から見ると、「ちゃんと貼ることが面倒なんだろうなあ」とか、
「のりも両面テープも無かったからクリップで間に合わせたんだろうなあ」
といったう印象です。
いずれにしても、面倒臭がりな性格なのだろうと判断します。
写真は、必ずのりか両面テープで貼りましょう。
職務経歴書
職務経歴があるのなら、職務経歴書を提出するのは義務だと思っておいてください。
求人広告では要求されていなくても、職務経歴書を提出するのは当然です。
職務経歴書の見本はネット上で見つかると思うのでここでは出さないですが、気を付けておくべき点としては、枚数を2枚以内におさえることです。
なぜなら、枚数が多いと、受け取る側にとって負担になるからです。
ひとたび求人募集をかけると、たくさんの応募書類に目を通さないといけなくなります。
なので、枚数が多いと、「簡潔にまとめてくれないかなあ」と感じます。
それとともに、「簡潔にまとめる能力がない人」とも思ってしまいます。
職歴が多ければ多いほどたくさん書きたくなりますが、簡潔に1枚にまとめるのがベストです。
弁護士法人で採用をやっていたときの傾向になりますが、職務経歴書を提出せず、履歴書だけで応募される方が多かったです。
正確な数字は出していませんが、応募数の半数を少し上回る程度の割合で、履歴書だけで応募してこられました。
それ以外の方は、履歴書と職務経歴書で応募される方です。
なお、履歴書と職務経歴書以外の書類を出してくださった方は、ほとんどいなかったと思います。
その他の応募書類
履歴書と職務経歴書以外にも、応募書類が必要になる場合があります。
作文
これは法律事務所での求人でしばしばあったのですが、作文の提出を要求される場合があります。
作文を書く際、テーマが指定されている場合はそのテーマを書きますが、テーマが指定されていない場合は、その行政書士事務所のホームページを見て、扱っている主業務に関するテーマを掘り下げて書くと効果的です。
たとえば、交通事故業務を主とする行政書士事務所であれば、交通事故にまつわる話をかけると良いですね。その際、自分の人生と交通事故を掛け合わせて書くことができればベストです。
大切なのは、自分が書きたいことを書くのではなく、相手が聞きたいことを書くことです。
自己PR系の書類
求人広告では要求されていない書類を出しても構いません。
たとえば「自己アピール書」であったり「私のスキル一覧」であったり。
そのような自分にプラスになる書面を作って提出しても良いです。
その場合、採用側としては「こんな書類送ってくれるな」とは思いません。
そこで読んでもらえたらアピールになりますし、読んでもらえなかったとしても、評価が落ちることはありません。
リスクがないのですから、ぜひ積極的に作ってみましょう。
ただし、簡潔に1枚にまとめる意識は大切です。
応募書類の郵送方法
郵送形態
普通郵便で十分です。
特に書留や簡易書留にする必要はないです。
ちゃんと届くか不安な場合は、特定記録郵便がお勧めです。
簡易書留よりも安い料金で追跡できるようになります。
注意点としては、クロネコメール便は避けることです。
なぜなら、郵便法違反になる恐れがあるからです。
求人への応募書類は「信書」にあたると思われますが、郵便法では「信書」は郵便以外での方法で送付することを禁じる規定があります。
封筒
応募書類一式をクリアフォルダに入れて、折らない形で大きい封筒(角形2号封筒)で送るのが完璧です。
大きい封筒なら、普通の三つ折りサイズの封筒よりも目立ちますし、折らずにピシッとした形で送ることもできますので、書類に目を通す際も見やすいです。
応募書類の質を上げるには
採用されるためには、応募書類の質が高くなくてはいけません。
ここでいう「質の高い応募書類」とは、「この人にはぜひ面接に来てもらいたい! と感じてもらうことができる応募書類」という意味です。
そのため、質の高い応募書類が必要になるのですが、最初から完璧な応募書類を作ることはできません。
では、どうやって応募書類の質を高めるのか。
それは、反省と修正を繰り返すことです。
不採用になると、応募書類が返送されてくることがありますよね。
それが返送されてきたら、写真だけ剥がして捨てることはしないで(←これ重要!笑)、自分が作った応募書類を振り返ってみてください。
そして、「どの部分がまずかったのか」「ここをこうすれば、もっと良いアピールができたのではないか」などのの反省点を洗い出します。
反省点が洗い出せたら、次の書類にそれを反映させて修正します。
それを繰り返していけば、おのずと質の高い応募書類に仕上がっていきます。
私の経験上、この反省と修正の繰り返しは大変重要です。
これは、難しいことはありません。
実行できるかどうかだけです。
これで応募書類が通ったら、次は面接に進みます。
→ 面接のコツ