行政書士事務所での面接のコツ
面接で上手に対応することができれば、さらに採用に近づけます。
面接は最後の勝負
良い行政書士事務所を見つけて、書類選考も通ったあとは、面接が待っています。
もっとも緊張する場面であり、最後の勝負どころでもあります。
そこでこのページでは、面接で上手に対応するために、そして行政書士事務所に採用されるための面接対策について解説します。
面接の事前対策
面接で上手な対応をするには、「しっかりとした準備」が必要です。
「しっかりとした準備」とは、聞かれそうな質問に対して回答を用意し、それをスムーズに言えるようにしておくことです。
声に出して話して練習することによって、さらに上手な対応ができるようになります。
面接は経験がものをいうので、特に面接経験が少ない方は、この準備は入念にやっておいてください。
面接を成功に導く心がけ
面接対応に絶対的な正解はない
最初に知っておいてほしいことは、「面接対応に絶対的な正解はない」ということです。
たとえば、過去のがんばった自分についてのエピソードを語ったときに、気に入ってくれる人もいれば、軽く受け流す人もいます。
また、面接のときにお茶を出してもらえますが、そのお茶を飲まなかったときに「慎ましい」と思う人もいれば、「せっかく出したのに」と思う人もいます。
もちろん、どちらでもなんとも思わない人もいます。
そのように、面接対応はケースバイケースであることは把握しておいてください。
とはいっても、面接を成功させるための基本的な対応はあります。
それを以下で解説します。
簡潔な回答
面接する側は、本来の仕事を止めてまで面接をしているので、結論に至るまで時間をかけてはいけません。
質問されたら、結論からスパッと答えることが大切です。
面接の場面では、起承転結の話し方は歓迎されません(ビジネスの現場でも基本的には同じです)。
あと、話が逸れないように気をつけてください。
自分が言いたいこともあると思いますが、それは質問の範囲内でおさめてください。
自信を持った受け答え
「こういうことはできますか?」という質問に対して、「できる」と思うのであれば、遠慮せずに自信を持って「できます」と答えます。
ここで慎ましさは不要です。
自信満々に「できます」と言ったほうがアピールになります。
しかしながら、「世間一般で『できる』といえるだけのレベルにあるのだろうか」という質問もあるかもしれません。
そういった微妙な場合は、「ここまではできます。それ以上のことは、現在勉強中ですので、数か月後にはさらにできるようになっています。」と回答すればOKです。
そのような回答であれば、誇張表現ではないですし、向上心を見せることにもつながります。
そのように、アピールできる面は遠慮せずにアピールしましょう。
自分らしさの発揮
市販の本などでは、面接マニュアルみたいなものもあると思いますが、マニュアルそのままの回答では、相手の印象には残りません。
マニュアルそのままでは、つまらないんです。
マニュアルを参考にするときは、あくまでも参考程度に留めておき、そこから先は自分なりの回答にアレンジを加えて、自分の言葉で話しましょう。
それができるようになると、自分らしさが出てきて、相手の印象に残ることができます。
よくある質問例とその回答例
志望動機はなんですか?
まずは本心を語ることが基本です。
本心だけで明確な志望動機になるのなら、本心をストレートに語ります。
しかし、本心だけでは、あいまいな志望動機になることもあります。
あいまいな志望動機にしかならない場合は、応募した行政書士事務所の業務にあわせて志望動機を考えてみましょう。
たとえば、交通事故を扱っている行政書士事務所なら、こんな回答が良いです。
私はその友人をなんとか助けてあげたいと思ったことがきっかけとなり、交通事故問題に興味を持ち始めました。
そのような中、○○行政書士事務所様の求人を拝見いたしまして、「こちらだ!」と思い、応募いたしました。
このように、自分の経験と、応募先行政書士事務所の業務を関連付けることができると、かなり良いです。
もし、自分の経験が応募先行政書士事務所の業務に関連づかないようでしたら、その事務所の主業務に興味を持ったきっかけを考えて、それを志望動機にしてみることも1つです。
一方、「行政書士事務所の仕事がしたかった」みたいな志望動機は、ありきたりでつまらないです。
それにこれだと、「行政書士事務所だったらどこでもいい」という気持ちが見えてしまい、面接官にとっては、あまり快く思えないです。
志望動機は人それぞれですが、大切なのは、「数ある法律事務所の中でも、○○法律事務所様で仕事がしたいのです。」という点を伝えることです。
★ 行政書士事務所の開業を目指す場合
行政書士試験の受験生の場合、「将来、行政書士事務所を開業したいと思って」という志望動機もあると思います。
これについては、求人広告に「行政書士試験の受験生歓迎」と書いてあれば伝えて問題ないですが、そのようなことが書いてない場合に伝えるか伝えないかは、こちらの記事を参考にして慎重に考えてください。
前職の退職理由は?
志望動機と同じで、まずは本心を語ることが基本です。
本心だけで明確な退職理由になるのなら、本心ををストレートに語ります。
でも、本心だけでは、愚痴のような退職理由になることもあります。
そのようなときは、たとえば「これまで行政書士の勉強をしてきたので、実際に行政書士事務所で仕事をしたいと思いました。」というように、具体的で前向きな退職理由を語ります。
絶対NGなのが、前職の嫌だった部分を言うことです。
たとえそれが正しいことであっても、相手からは愚痴に聞こえてしまいます。
あとは、健康上の理由で退職した場合は、「それを理解してもらえない職場なら採用してもらわなくていい」と覚悟が決まっている場合以外は伝えないほうがいいです。
理由は、面接する側が「うちの行政書士事務所で採用したあとも健康上の理由で休みがちになるのではないだろうか」と不安になり、それが不採用につながるからです。
よく、「健康を壊すまで頑張りました」みたいなアピールをしたがる人がいますが、これは逆効果です。
○○のスキルはありますか?
詳しくは上記「自信を持った受け答え」が参考になります。
面接の事後対策
面接が終わると、ここで一息、ほっとしますね。
でも、そこで終わりにしてはいけません。
面接当日に、「お礼状」を書きます。
「本日は面接にお招きいただきまして、誠にありがとうございました。貴行政書士事務所にお伺いし、より一層の意欲が湧いてきた次第です。」というような内容を、自分の言葉で書きます。
以前、昭和41年生まれの方にこの話をしたら、昭和の時代ではお礼状を出すのが普通だったみたいです。
でも、私が弁護士法人で採用担当をしていたときは、一通もありませんでした。
そのように、今はお礼状を出している人が少ないので、最後の一押しとして、ぜひお礼状を出してみましょう。
なお、お礼状を出す際は、ハガキにします。
理由は、封筒だと、受け取った側が忙しい場合、しばらく開けないこともあるからです。
ハガキなら、裏返せばすぐに読むことができますよね。
そのような事情があるので、読んでもらいやすいハガキでお礼状を出すようにしましょう。
ここで求人採用関係の話は終わりですが、このホームページの読者さんの中には、自ら行政書士事務所を開業したいと思われている方も多いと思います。
そこで、私の開業記録を書いてみました。
実際の行政書士事務所の現場についても書きましたので、開業予定がない方もぜひ読んでみてください。